黒しばわんこの戦跡ガイド

千葉県館山市宮城に残る「赤山地下壕」

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名称 赤山地下壕
住所 〒294-0033
千葉県館山市宮城192−2
解説 合計した長さが約1.6㎞と全国的にみても大きな地下壕で、終戦が迫る1944(昭和19)年より後に建設されたと考えられている。
赤山地下壕が館山海軍航空隊の防空壕として使用されていたという証言がある。
難度
A (行きやすい)

今日は千葉県館山市にある「赤山地下壕」だべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
壕から徒歩10分程に「掩体壕」も残っています!!

千葉県館山市の海上自衛隊館山航空基地近くにある赤山地下壕は、全長約1.6kmの比較的大きな壕です。壕内には発電所跡・応急治療所跡などを見ることができます。
赤山地下壕がつくられた時期は、壕に関する資料がほとんど確認できていないため、はっきりとわかっていないようですが終戦前に造られた壕ではないかといわれています。
戦争当時造られた他の壕の「壕」と「壕」の間の長さが一般的に10mから20m以上であることに対して、赤山地下壕は5~10mと狭くなっている急造的なつくりから終戦がさし迫った1944年より後に建設されたと考えられています。
また、太平洋戦争の終りに近づき米軍の空襲が激しくなってからは館山海軍航空隊の防空壕として使われたことが、発電所で働いた証言や救護を行った体験、壕の中で館山海軍航空隊の事務をおこなったという体験や証言から知ることができます。

館山海軍航空隊 赤山地下壕跡

(平成17年1月27日指定)
1930(昭和5)年、海軍5番目の実戦航空部隊として、館山海軍航空隊がつくられました。それから、1945(昭和20)年の終戦までの間、館山市香(こうやつ)から沼(ぬま)にかけての一帯には、航空機の修理部品の補給などをおこなった第2海軍航空廠館山補給工場、食料・衣服・燃料などを補給した横須賀軍需部館山支庫関係の施設や、1943(昭和18)年に兵器整備の練習航空隊として開かれた洲ノ崎海軍航空隊など、さまざまな軍事施設がつくられました。
東京湾の入り口にあることから、館山市には、海軍の施設だけではなく陸軍の砲台や、教育機関(洲ノ崎海軍航空隊、館山海軍砲術学校)なおd、いろいろな種類の戦争遺跡が残されています。
このような場所は、わが国のなかでも例が少ないといわれていますが、この赤山地下壕は、合計した長さが約1.6㎞と全国的にみても大きな地下壕で、館山市を代表する戦争遺跡のひとつです。
つくられた時期は、はっきりしていませんが、このような大きな地下壕が、1941(昭和16)年の太平洋戦争開戦の前につくられた例はないといわれています。
その一方で、昭和10年代のはじめに建設が始まったという証言もありますが、当時の軍部が本格的に防空壕をつくり始めたのは、1942(昭和17)年より後であるという歴史的な事実があります。
全国各地につくられた大規模な地下壕の壕と壕の間の長さは、一般的には10~20m以上(長野市松代大本営の象山壕は25mであるとされていますが、この赤山地下壕は5~10mと狭い上、計画的に掘られたとは考えにくい、そのつくりから見て、終戦がさし迫った1944(昭和19)年より後に建設されたのではないかと考えられています。
アメリカ軍の空襲が激しくなった太平洋戦争の終わりの頃、この赤山地下壕が、館山海軍航空隊の防空壕として使われていたことは内部にある発電所跡や、終戦間際に、この壕の中で実際に館山海軍航空隊の事務を行ったという体験や、病院の施設があったなどの証言から、知ることができます。

平成15年 館山市・館山市教育委員会

✅赤山地下壕

✅短いようだけど見どころは多い

地下壕全体では1.6キロもありますが、見学できるのは250mのみです。その距離の中でも発電所跡や応急処置室、ガンルームなどを見ることができます。

また壁面に目を向けると地層の影響からか壁全体が黒と白のコントラストのようになっていて中々綺麗です。この辺りの地層を形成しているのは砂岩や泥岩です。比較的柔らかいこれらの地質は掘りやすいという特性もありますが、反面では空襲による振動があると天井の土がパラパラと落ちてくるそうです。ツルハシで作ったであろうこの壕でも、壁面に触るとツルハシの跡がついています。

壕内の温度は年を通してほぼ一定であることからキノコの栽培に利用されていたこともあったそうです。

✅小便器

✅電話線跡

電話が設置してあり、左の窪みに腰かけて電話番が勤務していたようです。

✅ガンルーム

ガンルームと呼ばれていた場所で、少尉クラスの士官たちの部屋のようです。四角く凹んだ部分に、天皇陛下の御真影を安置していました。

✅多数の入り口があるようです

広い壕ですから、様々な場所に入り口があります。簡単に見つけられるのは赤山地下壕裏の掩体壕に行く道中にあります。他にもあるようですが住宅の裏にあったりするようなので、見学の際はTPOを考えて行動しないといけませんね^^;

赤山地下壕跡の情報

TEL/FAX 0470-24‐1911
入壕時に豊津ホール(地下壕入り口脇)で受付が必要となります。
【個人】一般200円・小中高校生100円
【団体】(20名以上で入壕の場合):一般150円・小中高校生50円
【入壕料の免除規定あり、HPをご確認ください】

午前9時30分~午後4時(受付は3時30まで)

<休壕日>
※壕内定期点検のため毎月第三火曜日は休壕します。
(ただし第三火曜日が休日の場合はその翌日とします)
※年末年始(12月29日~1月3日)
※選挙等行事のため臨時休壕となることがあります。(受付の豊津ホールが投票所となるため)

駐車場:あり(大型バス:2台/乗用車:18台)

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ポチ太郎

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戦跡と旅行と黒柴が好きな管理人です。
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