黒しばわんこの戦跡ガイド

八重瀬町字新城に残る「ヌヌマチガマ」

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名称 第24師団第1野戦病院 新城分院,ヌヌマチガマ
住所 〒901-0503
沖縄県島尻郡八重瀬町字新城2151
解説 八重瀬町字新城に「第二四師団第一野戦病院新城分院壕」、通称「ヌヌマチガマ」があります。
総延長500mにも及ぶ巨大なガマで、西側部分を「ヌヌマチガマ」、東側の部分は「ガラピガマ」とされています。
このガマでは「白梅学徒隊」が看護補助要員として滞在していました。
八重瀬町が管理しているため、見学は要予約かつ有料になる。
難度
A (行きやすい)



今日は沖縄県島尻郡八重瀬町にある「ヌヌマチガマ」だべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
八重瀬公園にある「第24師団第1野戦病院」の分院です!

沖縄県島尻郡八重瀬町字新城に「新城分院壕」があります。
しかし、この名前よりも「ヌヌマチガマ」という名称の方が知られています。
このヌヌマチガマは、現:八重瀬公園内にある「第24師団第1野戦病院」の分院として使われた自然壕です。

このガマは全長500mにもなる広大なガマで、西側部分を「ヌヌマチガマ」、東側部分を「ガラピガマ」としています。
ヌヌマチガマ側は八重瀬町戦争遺跡公園として駐車場や公衆トイレ等も整備されていますが、ガラピガマは崖下の獣道を進んだ先にあるのでハブなどに遭遇する危険がある他、入口部分に水が溜まっていることがあります。

✅第24師団第1野戦病院 新城分院

中央の茂みの中に「ヌヌマチガマ」があります。

✅入壕は予約が必要

現在は八重瀬町が委託しているNPO法人へ入壕予約が必要です。
また、ガマ内を案内してくれる平和ガイドさんが同行する必要があります。

✅柵越しならここまで見れます

✅白梅学徒看護隊之壕

柵の内側に石柱が建っています。
八重瀬公園の病院壕にも同様の石柱が建ってます。

白梅学徒隊(沖縄県立第二高等女学校)

沖縄県立第二高等女学校の前身は、1905年(明治38年)那覇市に設立された女子講習会(同年私立那覇女子技芸学校となった)で、その後変遷を経て、1928年(昭和3年)に沖縄県立第二高等女学校になりました。
1945年(昭和20年)3月24日、生徒たちは東風平村(現八重瀬町)富盛の八重瀬岳に置かれていた第二四師団第一野戦病院に配置されることになりました。
生徒の仕事は、負傷兵の看護や手術の手伝い、水汲み、飯あげ、排泄物の処理、死体埋葬などでした。
その後、5名の生徒が具志頭村(現八重瀬町)新城の自然洞窟(ヌヌマチガマ)の新城分院に配置されましたが、米軍が迫ってきたため、6月3日、分院は閉鎖されました。
6月4日、病院長から野戦病院の解散命令が下され、生徒達はそれぞれ数名ずつ班をつくって南部へと向かいました。
6月9日、一部の生徒は国吉(現糸満市)に到着。18日に国吉一帯で米軍による猛攻撃が始まり、辺りは一大殺りく場と化し、21日と22日に壕が馬乗り攻撃を受け、多数の死傷者を出しました。
国吉に行かなかった生徒たちは、砲弾が炸裂する中で死の彷徨を続け、ほとんどの生徒が6月下旬に米軍に収容されました。

平成28年3月 沖縄県子ども生活福祉部平和援護・男女参画課
白梅学徒隊(県立第二高等女学校)第24師団第1野戦病院入隊(山3486)
昭和20年3月6日 県立第二高等女学校在学四年生55名は軍命により軍属となり、第24師団第1野戦病院(山3486)入隊衛生看護教育隊として東風平国民学校で教育を受けた。集中教育で毎日テストが繰り返された。また注射の実施指導も行われた。教育隊の第1班から第3班までは、穂徳高等女学校在学生55名が配置され、第4班から第5班までは第二高等女学校の在学生55名が配置された。第6班は初年兵で構成されていた。
昭和20年3月24日 衛生教育終了。同日夕方白梅隊員は字富盛八重瀬岳にある第一野戦病院へ移動配置された。
昭和20年3月25日~27日 健康上又は家庭の事情で白梅隊員9名帰宅命令。
昭和20年4月下旬 第一野戦病院新城分院開設され、命により白梅隊員5名配置につく。(通称ヌヌマチガマ)
昭和20年6月3日 戦況が悪化し新城分院壕は閉鎖され、隊員5名は八重瀬の本隊へ復帰した。
同日…第一野戦病院本部は戦況の悪化により、富盛の八重瀬岳から糸満市国吉の壕へ後退が決定され、直ちに移動を開始した。

富盛の上の壕…L字型の壕入り口に手術室があった。白梅隊員の主な任務は病兵の食事・用便の世話・包帯交換更に手術の手伝い・切断した手足の処理等々であった。

富盛の下の壕…八重瀬岳中腹に掘られた縦横其々4~5本の入口壕でおよそ500名の患者収容能力があった。その壕には、軍医・衛生兵・看護婦が凡そ190名と、白梅隊員46名がいた。白梅隊の主な任務は、傷病兵の食事・用便の世話・包帯の交換・水汲み汚物の洗濯であった。

看板より引用

広大なガマ故に様々な場所にガマの入口らしき穴を確認することができます
ヌヌマチガマ駐車場と道路を挟んで反対側、八重瀬戦跡公園側にフェンスに囲まれている場所が確認できます。
中を見てみると穴を確認できます。

✅駐車場の向かい側にあるフェンス

公園の柵は公園の雰囲気に合わせて木が使われていますが、この部分だけ異質な鉄柵なので目立ちます。

✅壕口?

壕口らしきものは他にもあります。
前述した壕口らしき穴を正面に見ると右斜め前、東屋(屋根付きのベンチ)の横に同じようなフェンスに囲まれている場所があります。

✅東屋横にあるフェンス

中を見てみると分かりにくいですが穴があります。
これが壕口かどうかは分かりませんが、底の浅い穴なら埋め立てればいいだけで鉄柵で囲むのも少々不自然な気がします。
わざわざ戦跡公園として整備しているのだから、埋めれば駐車場にできますし。

フェンス奥を見てみると、大型の窪みの中に壕口らしきものを確認できました。
こちらの穴は結構深さがあるように見えます。

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