✅D50蒸気機関車の動輪
D50型蒸気機関車の動輪
1923(対象12)年から製造された幹線貨物用蒸気機関車・D50型の動輪。直径は1400㎜で、以後の貨物用蒸気機関車の標準寸法となった。蒸気機関車の動輪は、ピストンの往復運動を伝える主連棒の動きをクランクピンで受けて回転運動に変えているが、スムーズな回転とするために、左右のクランクピンの取り付け位置を90度ずらしてある。この動輪は展示用に片側の車輪のタイヤを外してある。
鉄道博物館案内看板より引用
D50型の動輪です。
Dというのは「動輪の数が4軸」ということを表しています。
B=2軸、C=3軸、D=4軸、E=5軸…といった感じでアルファベットから動輪の数が分かります。
50というのは機関車のタイプを表しています。
10~49=タンク機関車
50~99=テンダー機関車…を意味しています。
タンク機関車は、動力を作り出す源である水と石炭を機関車本体に積んでいるものです。
テンダー車と違って、炭水車がないので後方の視界もいいので逆機(バック)もしやすく、小型なため小回りが利きます。
しかし、燃料の積載量が少ないために長距離の運用には不向きで、且つ、燃料が少なくなってくると機関車の重量も減少し車輪が踏ん張る力が低下するために引張力も低下する欠点があります。
テンダー機関車は、タンク機関車とは違って機関車本体とは別に水と石炭を載せる「炭水車(テンダー)」がセットになっているものです。
炭水車に燃料をたくさん載せる事ができるので長距離の運用がしやすく、燃料補給がしにくい環境でも運用できます。
デメリットとしては、炭水車の影響で後方視界が悪く、逆機(バック)がしにくいことや、車体を反転させるための転車台も大型でないといけないなどがあります。
蒸気機関車は、水を沸騰させて水蒸気をつくり、その蒸気を利用してシリンダーを動かしています。
シリンダー内のピストン運動がクロスロッド・主連棒を通じて動輪に伝えられます。
「主連棒」というのは、「蒸気機関車」や「機関車トーマス」を思い出してください。
車輪の部分に棒が付いていて、走ると一緒に回っていますね。その棒のことです。
説明の中でクランクピンがずらしてあることが触れられてます。
クランクピンは車輪の下部分に出ている銀色のやつです。
このクランクピンが、反対の車輪には90度ずらした位置についているという意味です。シリンダー内のピストンが前後することで、それに合わせて主連棒(クランクピン)も車輪を回します。
ピストンがシリンダーの端にいくと折り返し地点となり、主連棒(クランクピン)と車軸が直線上に重なります。
そうなると主連棒が普段行っている引っ張ったり押したりして車輪を回していることができなくなり、その重なった状態から動かすことができなくなってしまいます。
そうならないためにクランクピンをずらして、機関車の左右どちらかの車輪だけでも回せるように調整してあります。