黒しばわんこの戦跡ガイド

「玉音放送」と「終戰の詔書」

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ハチ公
ハチ公
もう少しで終戦記念日ですね!

んだべ、日本が再スタートした日だんべな
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
ニュースで「堪え難きを堪へ」ってよく流してますね!

「玉音放送」だんべな
確かにその部分はよく放送されてるべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
自分、その部分しか知らないんですけど!!

貴様、それでも日本犬か!!
じゃあ、玉音放送について話すべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
「玉音放送」って誰の声ですか?

昭和天皇だべ
今の天皇陛下のおじい様、上皇陛下のお父様だべ
ポチ太郎
ポチ太郎

「玉音放送」は1945年8月15日の正午に流されたラジオ放送です。
」というのは天皇の敬称で、幕末の志士たちも密かに使用していたようです。
そして「玉音」というのは「天皇の肉声」を表しています。

この放送で読み上げた文章が「終戰の詔書(シュウセンノショウショ)」、別称「大東亞戰爭終結ノ詔書(ダイトウアセンソウシュウケツノショウショ)」です。
内容としては後述しますが、「日本がポツダム宣言を受諾して降伏することに決めたこと」「昭和天皇がその考えに至った経緯」などが書かれています。
現在の「天皇」は「日本の象徴」として政治等には関与してきませんが、戦前の日本のトップは「天皇」でした。
国土の統治・陸海軍の統帥権など多くの権利が「大日本帝国憲法」にも定められていました。

「玉音放送」に法律などの特別な意味は全くありませんでしたが、トップである天皇が直々に「終戰の詔書」を読み上げることは、敗戦の信憑性をもたせたり、不必要な混乱を防ぐことや広く情報を知らしめる為に意味があることでした。
また、できるだけ多くの人に聞いてもらうため、前日には「15日正午に重大発表がある」と報道され、当日の朝には「天皇直々のラジオ放送であるため必ず聴くように」との注意がされました。
直々といっても天皇が直にマイクで話しているのではなく、事前にレコードに録音した音声を流しています。

 

ハチ公
ハチ公
放送の内容が知りたいです!

文章はこんな感じだべ
ポチ太郎
ポチ太郎

玉音放送(大東亜戦争終結ノ詔書)

朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク
朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑々帝国臣民ノ康寧ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遣範ニシテ朕ノ拳々措カサル所曩ニ米英二国ニ宣戦セル所以モ亦実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス然ルニ交戦已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘ラス戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス 加之敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル而モ尚交戦ヲ継続セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内為ニ裂ク且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ惟フニ今後帝国ノ受クヘキ困難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル 然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所耐ヘ難キヲ耐ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克く朕カ意ヲ体セヨ

ハチ公
ハチ公
一行目で読むのを諦めました…!

読みやすくしてやるべよ
ポチ太郎
ポチ太郎

玉音放送(大東亜戦争終結ノ詔書)
朕(ちん)深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み非常の措置をもって時局を収拾せんと欲しここに忠良なる爾(なんじ)臣民に告ぐ
朕は帝国政府をして米英支蘇(べいえいしそ)四国(しこく)に対しその共同宣言を受諾する旨(むね)通告せしめたり
そもそも帝国臣民の康寧(こうねい)を図り万邦共栄の楽(たのしみ)をともにするは皇祖皇宗(こうそこうそう)の遺範(いはん)にして朕の拳々(けんけん)おかざるところさきに米英二国に宣戦せるゆえんもまた実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾(しょき)するに出で他国の主権を排し領土を侵すがごときはもとより朕が志にあらず
しかるに交戦すでに四歳(しさい)を閲(けみ)し朕が陸海将兵の勇戦朕が百僚有司の励精朕が一億衆庶の奉公おのおの最善を尽くせるにかかわらず戦局必ずしも好転せず世界の大勢また我に利あらず
しかのみならず敵は新たに残虐なる爆弾を使用してしきりに無辜(むこ)を殺傷し惨害の及ぶところ真(しん)にはかるべからざるに至る。しかもなお交戦を継続せんかついにわが民族の滅亡を招来するのみならずひいて人類の文明をも破却(はきゃく)すべし
かくのごとくは朕何をもってか億兆の赤子を保(ほ)し、皇祖皇宗の神霊に謝せんや
これ朕が帝国政府をして共同宣言に応じせしむるに至れるゆえんなり
朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる諸盟邦に対し遺憾の意を表せざるを得ず
帝国臣民にして戦陣に死し職域に殉じ非命にたおれたる者およびその遺族に思いを致せば五内(ごだい)ために裂く
かつ戦傷を負ひ災禍をこうむり家業を失いたる者の厚生に至りては朕の深く軫念(しんねん)するところなり
おもうに今後、帝国の受くべき苦難はもとより尋常にあらず。なんじ臣民の衷情(ちゅうじょう)も朕よくこれを知る
しかれども朕は時運のおもむくところ堪え難きを堪え忍び難きを忍びもって万世のために太平を開かんと欲す
朕はここに国体を護持し得て忠良なるなんじ臣民の赤誠(せきせい)に信倚(しんい)し常になんじ臣民と共にあり
もしそれ情の激するところみだりに事端をしげくしあるいは同胞排擠(はいせい)互いに時局をみだりために大道を誤り信義を世界に失ふがごときは朕最もこれを戒む
よろしく挙国一家子孫相(あい)伝え、かたく神州(しんしゅう)の不滅を信じ任重くして道遠きをおもい総力を将来の建設に傾け道義を篤くし志操(しそう)をかたくし誓って国体の精華を発揚し世界の進運に後れざらんことを期すべし
なんじ臣民それよく朕が意を体(たい)せよ。

ハチ公
ハチ公
意味が分かりません…!

現代語にしてやるべよ
ポチ太郎
ポチ太郎

玉音放送(大東亜戦争終結ノ詔書)意味付き
朕(ちん)深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み非常の措置をもって時局を収拾せんと欲しここに忠良なる爾(なんじ)臣民に告ぐ。
(私は深く世界の大勢と日本の現状から考え、非常の措置をもって時局を収拾したいと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる)
朕は帝国政府をして米英支蘇(べいえいしそ)四国(しこく)に対しその共同宣言を受諾する旨(むね)通告せしめたり。
(私は日本帝国政府に、米国・英国・中国・ソ連の4カ国に対して共同宣言(ポツダム宣言)を受諾することを通告させた。)
そもそも帝国臣民の康寧(こうねい)を図り万邦共栄の楽(たのしみ)をともにするは皇祖皇宗(こうそこうそう)の遺範(いはん)にして朕の拳々(けんけん)おかざるところ
(そもそも臣民の安全を確保し世界の国々と共に栄えて喜びを共にすることは、先代の天皇から残された規範であり、私も深く心に決めてそう努めてきた。)
さきに米英二国に宣戦せるゆえんもまた実に帝国の自存と東亜の安定とを庶幾(しょき)するに出で
(米国と英国の2カ国に宣戦布告したのも、帝国の存続と東アジアの安定を願ってのものであり)
他国の主権を排し領土を侵すがごときはもとより朕が志にあらず
(他国の主権を排斥したり、領土を侵略することは、もちろん私の意志ではない。)
しかるに交戦すでに四歳(しさい)を閲(けみ)し朕が陸海将兵の勇戦朕が百僚有司の励精朕が一億衆庶の奉公おのおの最善を尽くせるにかかわらず
(そして戦闘状態が4年間続いているが、日本の陸海将兵の勇敢な戦闘や、官僚や公務員たちの懸命な働き、一億民衆の奉公のそれぞれが最善を尽くしてきたが)
戦局必ずしも好転せず世界の大勢また我に利あらず
(戦局は好転せず、むしろ世界情勢は日本にとって不利に働いている)
しかのみならず敵は新たに残虐なる爆弾を使用してしきりに無辜(むこ)を殺傷し惨害の及ぶところ真(しん)にはかるべからざるに至る。
(それだけでなく、敵は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使用し、罪のない人々を殺傷し、その被害ははかり知れない。)
しかもなお交戦を継続せんかついにわが民族の滅亡を招来するのみならずひいて人類の文明をも破却(はきゃく)すべし
(それでもなお交戦を継続すれば、わが民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明をも破壊することになってしまうだろう。)
かくのごとくは朕何をもってか億兆の赤子を保(ほ)し、皇祖皇宗の神霊に謝せんや
(そのような事態になったとしたら、私はどのように我が子ともいえる国民達を守り、歴代の天皇の神霊に謝罪することができようか。)
これ朕が帝国政府をして
(これが私が日本政府に)
共同宣言に応じせしむるに至れるゆえんなり
(宣言に応じるようにさせた理由である。)
朕は帝国と共に終始東亜の解放に協力せる
(私は日本とともに東アジアの解放に協力してきた)
諸盟邦に対し遺憾の意を表せざるを得ず
(友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。)
帝国臣民にして戦陣に死し職域に殉じ非命にたおれたる者
(帝国臣民として、戦場や職場で殉職し悲惨な最期を遂げた者)
およびその遺族に思いを致せば五内(ごだい)ために裂く
(またその遺族のことを考えると内臓が引き裂かれる思いである)
かつ戦傷を負ひ災禍をこうむり家業を失いたる者の
(さらに戦場で負傷し、戦禍に遭い、家や仕事を失った者の)
厚生に至りては朕の深く軫念(しんねん)するところなり
(厚生については、私が深く心配するところである。)
おもうに今後帝国の受くべき苦難はもとより尋常にあらず
(思うに、今後の日本の苦難は尋常ではないだろう。)
なんじ臣民の衷情(ちゅうじょう)も朕よくこれを知る
(あなたたち臣民の本心を私はよく知っている。)
しかれども朕は時運のおもむくところ
(しかし、私はこれからの運命に対して)
堪え難きを堪え
(堪え難いことでも堪え)
忍び難きを忍び
(忍び難いことでも忍んで)
もって万世のために太平を開かんと欲す
(将来の日本のために平和の世を切り開こうと願っている。)
朕はここに国体を護持し得て
(私は、ここにこうして国体(天皇を中心とする秩序)を護持して、)
忠良なるなんじ臣民の赤誠(せきせい)に
(忠良なあなた方臣民の偽りのない心を)
信倚(しんい)し常になんじ臣民と共にあり
(信じ、常にあなた方臣民と共にある。)
もしそれ情の激するところ
(もし激情にかられて)
みだりに事端をしげくしあるいは同胞排擠(はいせい)
(むやみに事を荒だて、あるいは同胞同士が排斥し合って)
互いに時局をみだりために大道を誤り信義を
(国家を混乱に陥らせて国家の方針を誤って信用を)
世界に失ふがごときは朕最もこれを戒む
(世界から失うようなことを私はもっとも戒めたい。)
よろしく挙国一家子孫相(あい)伝え
(国を挙げて一つの家族のように、子孫ともども)
かたく神州(しんしゅう)の不滅を信じ任重くして道遠きをおもい
(かたく日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、)
総力を将来の建設に傾け
(総力を将来の日本の再建のために傾け)
道義を篤くし志操(しそう)をかたくし
(道義心と志操(守って変えない志)をかたく持ち、)
誓って国体の精華を発揚し
(日本の栄光を再び輝かせるよう、)
世界の進運に後れざらんことを期すべし
(世界の動きに遅れないように期すべきだ。)
なんじ臣民それよく朕が意を体(たい)せよ。
(あなた方臣民は私のそのような意を体してほしい。)

ハチ公
ハチ公
こんなに長い文なんですね!

一文しか知らないと「これからの占領下生活への絶望感」が感じられるけど、全文見てみると必ずしもそうではないという気がするんだべ
ポチ太郎
ポチ太郎

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