Q基地
今回は広島県呉市倉橋町に残る「Q基地跡」だべ
対岸の大浦崎に「P基地」がありました!
広島県呉市の倉橋島東部に「大迫」という地域があります。
この地の海岸では、戦中に水陸両用戦車「特四式内火艇」の訓練が行われました。
その後、水陸両用戦車の訓練が下火になると「特殊潜航艇」の訓練生の宿舎がこの地に作られ、訓練生達はこのQ基地から対岸にある大浦崎にあったP基地まで船で通ったのです。。
水陸両用戦車「特四式内火艇」 は1944年に採用された海軍陸戦隊が使用した兵器です。
潜水艦に積載して目的地近くまで接近、その後は水中、水上を自走して陸上にあがるものでした。
当初はP基地とQ基地の中間辺りにある「情島」にてコッソリと訓練が行われましたが、隊員の増加に伴ってこの大迫の地で訓練を行うようになります。
特四式内火艇はエンジン音が大きく隠密性に欠けることなどから大量生産はされず、訓練も下火になりました。
特四式内火艇の訓練が下火になった後、この地は特殊潜航艇の訓練生宿舎に使用されるようになりました。
特殊潜航艇には甲標的・蛟龍・回天がありますが、コンセプトとしては潜水艦より小型で少数の人間が乗り込み、ターゲットまで接近して魚雷を撃ち込んだり、機体ごと突撃するといったものです。
特殊潜航艇の出撃については、真珠湾攻撃において5隻の甲標的が知られます。
この出撃において搭乗員は米国の捕虜になった「酒巻和男」海軍少尉を除いて「九軍神」とたたえられました。
特殊潜航艇の訓練は、Q基地とは海を挟んで反対側にある大浦崎(P基地)で行われていました。
訓練生は宿舎のあったQ基地からP基地まで船で通って訓練に参加していました。
現在、Q基地跡には「特殊潜航艇基地 大浦突撃隊大迫支隊跡碑」と海岸の「突堤」のみが残っています。