JR大宮駅からニューシャトルに乗り換えて一駅で鉄道博物館に行く事ができます。
電車の歴史を文字と実物から見ることができるこの施設は、大人から子供まで様々な年代の方が訪れる場所です!
✅01型蒸気機関車(ドイツ)の動輪
1924年に八つの州有鉄道を統合して発足したドイツ国有鉄道会社(DRG)の最初の制式(標準系)機関車として1925年~38年までに231両が製造された01型蒸気機関車の動輪。急行列車用の高速機としてドイツを代表する機関車で、1970年代まで各線で活躍した。動輪直径は2000mmという標準軌(軌間1435㎜)の蒸気機関車の中でも巨大なもので、運転最大速度は120㎞/h。軌道は重量列車に対応するために鉄まくら木が使用されている。
鉄道博物館説明板引用
DRGは「Deutsche Reichsbahn-Gesellschaft」の略で、1924年8月にドイツ国営鉄道が改変されてドイツ国有鉄道となりました。第二次世界大戦終了後の1949年にドイツは東と西に分裂した際には、「ドイツ連邦鉄道」(西ドイツ)と「ドイツ国営鉄道」(東ドイツ)に分かれます。
1990年代にドイツが統合された際に「ドイツ鉄道」となり、ドイツ最大の鉄道会社としてドイツの輸送力を支えています。
文中で出てきた「動輪」は、機関車おいての動力源そのものであり、蒸気によって稼働したシリンダーによって熱エネルギーが運動エネルギーに変換されます。最終的にそれが車輪に伝わり回ることで、機関車の引張力(引っ張る力)となります。
「動輪」以外の車輪として、動輪の前側に付属してガイド役となる「先輪」や、動輪の後ろ側に付属して荷重が分散されるように調整する「従輪」があります。基本的に動輪が一番巨大で、それ以外は小さいです。
これらの車輪が連結棒で結ばれています。
動輪だけであった場合、カーブに差し掛かった場合に動輪の可動域の狭さから脱線の危険性がある他、曲がった際に連結棒が折れるなどの故障にも繋がるために先輪や従輪がサポートしているのです。
また、写真からも分かるようにタイヤの内側が少し盛り上がっているのが「フランジ」といって、曲線部でレールに引っかかって車輪が脱輪しないようにするストッパーのような役割があります。
これは現代の電車でも使用されている脱線防止の技術です。
現代日本の脱線防止技術は他にも、車輪踏面(レールに接する面)に傾斜をもたせて曲線走行をしやすくしたり、軌道(レール)部分にも曲線部ではスラック(曲線部におけるレール間の最短距離)を広くしたり狭くしたりと変化させたり、曲線部では外側レールを高く内側レールを低くというようにカント(外側レールと内側レールの高低差)を変化させるなど、脱線防止の設備は色々なところにあります。
最後に「標準軌」という言葉が出てきます。
説明文にもあるように軌間(レールとレールの間の間隔)が1435mmであるものが「標準軌」と呼ばれていて、これより狭いのは「狭軌」、広いのは「広軌」とされています。基準の1435㎜というのは、世界初の鉄道であったイギリスの鉄道が基準となったとされています。
日本においてはJRの在来線はほとんどが1067mmの狭軌となっていて、1435㎜が使われているのは東京メトロの丸の内線や銀座線、京浜急行電鉄、新幹線があります。
軌間は広い方が安定し高速走行もしやすいので、スピードを出す京浜急行や新幹線が標準軌なのは納得です!
飛ばし屋の京浜急行ならではの信号もあり、進行信号と減速信号の間に「迎速信号(YGフリッカー)」が設定されていて関東私鉄唯一です。