黒しばわんこの戦跡ガイド

糸満市大度に残る「球第12517部隊患者壕」

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球第12517部隊患者壕

 

名称 球第12517部隊患者壕
住所 沖縄県糸満市大度
解説 大度海岸に残る壕。
自然壕に手を加えた様相の壕で、入口までは4m程の高低差がある。
独立高射砲第27大隊(球第12517部隊)が患者壕として使用していたとされる。
難度
D(危険)

今日は沖縄県糸満市大度に残っている「球第12517部隊患者壕」だべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
「球第12517部隊」は「独立高射砲第27大隊」の秘匿名称です!

沖縄県糸満市大度に「ジョン万ビーチ」という場所があります。
シュノーケリングでも人気の場所で、土日には無料駐車場は埋まるほど人気があります。

そんなビーチから少し離れた場所に戦中に使用されたガマが残っています。

このガマを使用していたのは「独立高射砲第27大隊」という部隊です。
秘匿名称は「球第12517部隊」、1944年に山口県で編成されました。
沖縄県那覇市垣花台地に本部を置き、小禄や天久台、遠く離れた読谷村の座喜味城に隷下部隊を配置します

✅ジョン万次郎上陸の地碑

ジョン万次郎上陸之地碑を過ぎて海岸に出ます。
こちらの海岸は大き目の岩がゴロゴロしているので怪我に注意です。

コンクリート製の通路があります。

拝み所がありますね。

✅干潮時の海岸

干潮時にはある程度陸地ができるので、崖に沿って進んでいきます。
干潮でも水位が高いとアクセス難度がかなり変わります。
仮に行くなら、できるだけ水位が低い時に…

✅独立高射砲第27大隊 患者壕

崖に沿って進んでいくと、崖の一部に大穴が開いています。
ここが「独立高射砲第27大隊患者壕」です。

✅壕入口

壕に近づいていくと縄梯子が見えてきます。
入口までは4m程の高低差があり、この梯子を登らなくてはいけません。
地面は琉球石灰岩特有に尖っている部分が多く、万が一落下することを考えるとかなり危険です。

登り切りました。
岩にロープが巻きつけてありますが、ちょっと心もとないですね。

✅正面

✅左側

✅右側

✅尖る壁面

登りきると正面に小さな壕口があり、左右には待機できそうなスペースがあります。
床には謎の形状をしたコンクリートの塊があります。
何かの土台でしょうか?

✅コンクリートの塊

天井から落ちてきた様子はないです。

✅天井部分

コンクリートは置いといて、奥の穴に入ってみます。
穴の前には1.5m程の段差があります。

✅段差

穴に入ると正面に台座があり、左側にはそこまでスペースはありませんが、右側には天井が低いながらも奥行がある空間があります。

✅正面台座

✅左側

✅右側

穴の内部は高さ1.5m程しかなく、常に屈んでいる必要があります。

✅燭台?

✅何かの破片

落ちている物を見てみましたが、軍靴などは落ちておらず、燭台のようなものや何かの金属片が落ちていました。
この壕は艦砲射撃を多数受けた上に火炎放射による焼き払いも受けているとのことです。
そのため、壕内壁面の天井を中心に黒ずんでいる場所が多く見れます。
金属片も艦砲弾の破片の可能性がありますね。

✅黒い部分

✅差し込む光

そして、登り切った場所に戻ってみると、向かいの崖にも銃眼のような穴が見えます。
そちらの崖にはハシゴなどはなく、今いる場所から通路もなさそうなので現状では行くことはできないですね。

✅向かいの穴

✅向かいの崖

独立高射砲第27大隊の最後の本部壕は、糸満市大度の「海の見えるレストラン」の近くに残っています。
この本部壕に来た頃には70門以上あった高射砲も1門だけになり、壕内に横長にあけた穴から砲身を出して使用していました。

また、慰霊塔もかつてはレストラン近くにあったようですが、現在は自衛隊南与座分屯地近く移設されて「独立高射砲第27大隊英霊之碑」として残されています。

 

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ポチ太郎

ポチ太郎

戦跡と旅行と黒柴が好きな管理人です。
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