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豊見城市保栄茂に残る「保栄茂の監視所」

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保栄茂の監視哨

名称 保栄茂の監視所
住所 〒901-0214
沖縄県豊見城市保栄茂
解説 1944年から1945年に構築されたとされる人工の監視哨。
保栄茂グスクの城壁の一部に構築されている。
丸みを帯びたL字のような形状をしており、幅や奥行、高さは全て2m以上ある。
難度
C(分かりやすい)

 



今日は沖縄県豊見城市保栄茂にある「保栄茂の監視哨」だべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
保栄茂グスクの城壁にあります!

沖縄県の豊見城市と糸満市の境目に「保栄茂」という集落があります。
「保栄茂」は「ビン」と読みます。

保栄茂の集落内にある丘陵には「保栄茂グスク」というグスクありました。
琉球王国が成立する以前、沖縄本島は北山・中山・南山の三つの軍勢に分かれており、「三山時代」とも呼ばれます。
「保栄茂グスク」は南山の傘下にあり、糸満市にある南山城と、敵である「中山」との最前線である瀬長・豊見城・長嶺などの各グスクの中間地点にある「保栄茂グスク」は中継場所として利用したと考えられているようです。

大岩が立て掛けられたような城壁の保栄茂グスクの城壁の一角、日本軍の監視哨が造られました。
保栄茂グスクの案内にも、文の最後に申し訳程度に記載されていますが、場所などは記されておりません。

保栄茂の監視所には整備された場所からは逸れて、樹木が生い茂る中を進んでいきます。
保栄茂グスクの入口には「未生の緑」の石碑があります。
この碑は組踊「未生の緑」という演目の舞台が保栄茂グスクであることを記念して建てられたものです。

碑と城壁の間を直進して樹林に入ります。

✅城壁に沿って進んでいく

落石もゴロゴロしている城壁下を進んでいくと1~2分ほどで不自然な窪みと、這いつくばれば入れるくらいの穴があります。

✅内部から入口を撮影

入口はかなり狭くなっていますが、内部は幅×奥行×高さは3m×3m×2.5mくらいはありそうに思えます。
形状は丸みを帯びたL字のような形で、入口から左上辺りに監視窓があります。
監視窓までは急な傾斜になっています。

✅入口から監視窓を見る

監視窓は天井近くのかなり高い位置にあり、そこまでの傾斜もかなり急です。

✅正面から見た監視窓

横幅は大体1mくらい、高さはこぶし二つ分くらいです。

✅監視窓周辺

コンクリートで綺麗に整備されています。

✅銃眼からの景色

現在は樹木に覆われているので何も見えませんが、瀬長島や飛行場のあった与根方向を見渡すことができたようです。
沖縄戦では北谷・読谷付近から敵軍が上陸しましたが、糸満・豊見城周辺の海岸からの上陸も警戒されていました。

✅天井

天井も綺麗に均されています。

✅銃眼から入口付近を見る

✅人工壕であることの痕跡

壁面を見てみると、削岩機のロッドを刺したような跡がいくつかあります。
この付近には1944年12月頃まで第9師団が配置されていましたが、台湾への攻撃を警戒して第9師団を台湾に転進、その後に周辺に配置されたのが第24師団でした。
正確な構築者は不明ですが、第9師団か第24師団隷下の部隊だと思われます。

ビンと茶碗の欠片が落ちてました。
茶碗はともかく、ビンは近現代の物でしょう。

✅外から見た監視窓

内部から脱出、樹木を超えて外から監視窓も見ることができました。
パッと見だと岩の切れ目ぐらいにしか見えませんね。

✅関連書籍

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ポチ太郎

ポチ太郎

戦跡と旅行と黒柴が好きな管理人です。
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