黒しばわんこの戦跡ガイド

糸満市の丘陵内墓地群にある「富嶽山陣地壕」

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富嶽山陣地壕

名称 富嶽山陣地壕
住所 〒901-0301
沖縄県糸満市阿波根
解説 沖縄県糸満市阿波根の丘陵内にある。
自然洞穴に人工壕を連結させている。
泥灰岩の部分に人口壕を掘っているので、人口壕部分は崩落が激しい。
難度
B(分かりづらい)



今日は沖縄県糸満市阿波根にある「富嶽山陣地壕」だべ
ポチ太郎
ポチ太郎

ハチ公
ハチ公
墓地群の中にある壕です!

沖縄県糸満市阿波根の県道82号線沿いに丘陵地帯があり、その南側斜面に「富嶽山陣地壕」があります。
石灰岩質の自然壕と、最奥には人工で掘り込んだ人工壕が組み合わせてある陣地壕です。

富嶽山陣地壕には「歩兵第32連隊歩兵砲部隊」が陣地としていました。
「歩兵砲」は歩兵が装備する武器で対処できない敵に遭遇した時に必要になります。
砲兵程の大規模な物でないながらも、歩兵の進軍に随伴できる分解可能で軽量な榴弾砲等が使われました。

歩兵科が独自に運用することは、歩兵科と砲兵科それぞれの司令部を通して依頼すると時間がかかるが、その時間を短縮することに繋がりました。

✅富嶽山陣地壕

県道82号線沿いに墓地群へ繋がる入口があります。

✅壕口

高さと横幅は1.7m×1.5m程の入口です。

✅入口にある壺

以前から入口に置いてある壺です。
骨壺だと思いますが中身は空です。

石が積まれているからか、1m程の高さしかありません。

✅棚状遺構

入口から入ると立ち上がれるくらいに天井が高くなります。
通路の幅は1mもありません。

通路内には石を積み重ねて武器等を置けるようにした「棚状遺構」が見られます。

✅入口方向を撮影

細い通路を10m程進んでいくと通路は広くなります。
3m程の幅に広がります。

✅壁面

壁面には濡れている場所もあり、白い物質が付着しています。
琉球石灰岩から流れ出している石灰質と思われます。

✅一つ目のホール

進んでいくと、いくつかのホール状の場所があります。
通路横に10畳程のスペースが設けてあり、待機場所に使用していたと思われます。

✅人の顔くらいの瓦礫が落ちています

✅天井には鍾乳石らしき物も…

石灰岩の成分が少しずつ垂れることで鍾乳石ができます。
天井を見てみると「鍾乳管(ストロー)」「つらら石(スタラクタイト)」のような物が見られます。

進んでいくと道が2つに分かれますが、再度合流することになります。
左側の道は狭いので右の道に進みます。

✅合流地点

右側の道をくぐると直ぐに左側の道に合流します。
石柱などに阻まれ、かなり狭くなっています。

分かれ道から進んでいくと道幅がかなり狭くなります。
肩幅ほどしかない通路を進んでいくと最後の大ホールに出ました。

幅と奥行は10m×15m程で、立ち上がれるほどの余裕もあります。
中央部分が50㎝程掘り込まれており、その先には人口壕への入口があります。

左側の一角に錆びついた遺品のような物がまとまっています。

奥には人工壕への入口があります。
この場所から泥灰岩(クチャ)の地質に変わります。
足元も多少の泥濘が出てきました。

✅人口壕の入口

人工壕に入るとすぐに下り坂になります。
かなり急な傾斜ですが、一応階段も掘り込んであります。
階段部分の高さは1.5mくらいで体勢もキツいですが、傾斜のキツさもありかなり体力が奪われます。

✅炭化した坑木跡

調べてみると炭化した坑木のようです。
15㎝くらいの大きさです。

✅階段を下から撮影

階段の一段一段がかなり高さがあります。

✅最奥

階段を降りきると再度二手に道が分かれます。
しかし、どちらも落盤していて数mしか進むことができなくなっています。

✅関連書籍

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ポチ太郎

ポチ太郎

戦跡と旅行と黒柴が好きな管理人です。
博物館・資料館好きが高じて、国家資格の学芸員を取得しました🐶✨
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