


千葉県の松戸駅近くにある松戸中央公園近辺は1910年頃は競馬場でした。
日露戦争における騎馬隊の活躍から乗馬が推奨されるようになり、国内に競馬場が増加しました。
しかし、戦車や航空機の発展が進むと騎兵への注目度もなくなっていき、松戸競馬場は陸軍により買収されて陸軍工兵学校となりました。国内唯一の工兵学校でもあり、1919年から終戦の1945年まで学校は続きました。

1944年頃の松戸中央公園付近(「今昔マップ on the web」より)

(「今昔マップ on the web」より)
✅松戸駅付近の航空写真

中央下にある建物が陸軍工兵学校(出典:国土地理院ウェブサイト)
松戸市 市指定有形文化財
松戸中央公園正門門柱・旧陸軍工兵学校歩哨哨舎
(旧陸軍工兵学校正門門柱)
旧陸軍は、工兵のより高度な技術研修のため、相模台にあった松戸競馬場(船橋市・中山競馬場の前身)跡地に大正8年(1919)工兵学校を開校し、昭和20年8月まで存続させました。
煉瓦造りの正門は、大正9年に造られたもので、市内に残る数少ない煉瓦建造物です。
警備のための歩哨哨舎は、施工当時木造でしたが、昭和2年から昭和10年頃にコンクリート造りにしたものです。
正門は、門柱頂部の門灯と門扉がなくなっていますが、現存する門柱4基と歩哨哨舎が応じの様子を伝えています。平成21年6月18日
松戸市教育委員会
✅正門門柱

工兵学校に使われていた正門。相模台小学校側の公園入口に残っており、隣には歩哨哨舎もあります。
✅歩哨哨舎跡

現在残っている歩哨哨舎はコンクリート製ですが、当初は木造で造られていました。

四方に覗き穴が開いています。
松戸中央公園北側階段を下っていくと陸軍工兵学校の倉庫跡があります。鉄製の扉が使われており、扉の上には穴が開いています。軽油庫として使われており、空気穴ではないかと思われる。
✅陸軍工兵学校 倉庫跡

松戸中央公園から地獄坂という急な坂を下ると相模台公園へ続く階段があります。
相模台公園は工兵学校の作業場として使われていました。
そして、この公園には忠魂碑が建立しています。
✅相模台公園 忠魂碑
