名称 | 出水海軍航空基地 掩体壕 | |||
住所 | 〒899-0217 鹿児島県出水市平和町381 |
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解説 | 航空員養成のために設立された出水基地で使われていた掩体壕。田んぼの中の2基の掩体壕は分かりやすく、戦争遺跡としてトイレも用意されている。 | 難度 | ||
A (行きやすい) |
✅掩体壕[西側]
鹿児島県の北部にある出水市は鶴の渡来地であることで有名です。
まぁそれはいいとして、出水市には戦中に「出水海軍航空基地」が置かれていました。
当初は予科練や学徒出陣の予備学生らの航空訓練を行う場所でしたが、戦局が悪化していくと作戦上の一つの基地として使用されるようになりました。
出水基地には第五航空艦隊の405飛行隊と406飛行隊が置かれ、特攻作戦に参加しました。
掩体壕は戦闘機などの航空機を中に入れ、爆撃などから航空機を守るためのものです。
イメージ的には雪で作るカマクラのようなものです。
出水基地の物はカマボコのような形で屋根のある掩体壕です。
このような屋根のある掩体壕のことを「有蓋掩体壕(ユウガイエンタイゴウ)」と呼びます。
このような有蓋掩体壕は関東地方だと千葉県茂原市や千葉県館山市、東京都府中市で見ることができます。
同じ県内の鹿児島県でも南東にある鹿屋市にも川東掩体壕があったり、沖縄県の読谷村でも有蓋掩体壕が残されています。
有蓋掩体壕と違い、屋根のない掩体壕を「無蓋掩体壕(ムガイエンタイゴウ)」と呼びます。
無蓋掩体壕は屋根がないことから防御力では有蓋掩体壕に劣りますが、土を盛るだけなので容易に造ることができるメリットがあります。
また、土が高く盛られているので掩体壕近くで発生した爆風や破片などが盛土で弱めたり、受け止めたりすることができます。
無蓋掩体壕は知覧で見ることができます。
飛行機の形に合わせて、間口は広く、奥に行くほど狭くなっていきます。
搭乗員は前部の広い部分か、後部の人一人が通れるくらいの穴から内部に入って航空機に乗り込むことができます。
✅この場所から出入りして乗り込む
✅天井部分
✅爆撃や機銃掃射による穴
有蓋掩体壕の作り方は土を形を整えて盛り、その上からコンクリートを流して固めます。
掩体壕の中には鉄筋が仕込まれて耐久性をあげたものも存在しますが、出水市の掩体壕はコンクリートのみで造られています。
物資の豊富な戦争以前や戦争初期で造られたものは鉄筋も利用してあったりしますが、戦争末期には物資の不足によりコンクリートのみで造られたものも珍しくなくありません