糸数壕(アブチラガマ)への入壕受付をする建物の道を挟んだ向かい側に酸素魚雷とカノン砲は展示されています。
元々、魚雷は佐敷にある南城市老人福祉センター、カノン砲は大里にある南城市大里農村環境改善センターに展示されていた物を移設してきたようです。
最初、何も知らずにそれぞれの所へ行き、そんなものないじゃないか!と憤慨したのですが、何となくアブチラガマの展示を見た時に移設してきた物と知りました(笑
勝手に別物と思い込んでいました…よく読まないとね…
✅93式発射魚雷
旧日本海軍
93式発射魚雷
全長:7.55メートル
重量:約2000キログラム
発見場所:佐敷字津波古1400-1
発見日時1991年5月12日
魚雷は同所で8発、発見され、いずれも弾頭部・信管が装着されてなく無事撤去できた。1発は旧佐敷町が保管し、2発は県が保管することとなった。1991年6月8日設置 旧佐敷町平成28年3月移設 南城市
✅危険と隣合わせの「酸素魚雷」
通常の魚雷は、燃料を燃やして得た熱エネルギーを使い、エンジンを回して推進力を得ます。
その燃料として、燃料油と酸化剤として圧縮空気が利用されていました。
しかし、圧縮空気の中で使用するのは主に酸素であり、大部分を占める窒素は使用しないのです。
その無駄を省いた結果生まれたのが「酸素魚雷」です。
酸素魚雷は、燃料油と純酸素を使用します。
純酸素は圧縮空気に比べて、燃焼効率が圧倒的に高く、同じ容積においても4~5倍もの熱エネルギーが作り出せました。それによって航続距離も飛躍的に伸ばすことが可能になりました。
また、通常の魚雷は、副産物として多量の排気ガスが生まれてしまい、その気泡によって魚雷の航路(雷跡)が分かってしまうという欠点もありました。
酸素魚雷の場合、副産物として二酸化炭素が生まれますが、二酸化炭素が水に溶けやすいこともあり雷跡が悟られにくいメリットがあります。
酸素魚雷のデメリットとして、その可燃性の高さ故に誤爆事故の危険があることです。
そのため、慎重な取り扱いが必要になりました。
また、このデメリットのために世界各国でも酸素魚雷の開発が頓挫していました。
✅89式15糎加農砲
八九式十五糎加農砲
昭和4年に旧日本軍によって、正式化された大砲で開脚式装輪砲架を持ち、遠距離でも命中精度にすぐれていた。砲身車と砲架車をそれぞれ牽引車で牽引して移動し、陣地で組み立てて使用したが、準備に1時間程かかったそうである。
大里村内には、1945年3月に旧日本軍陸軍独立重砲兵第百大隊が布陣した際に、二門が配置された。しかし、沖縄戦においては、米軍とのあまりにも大きな物量の差により、その効果は乏しく、一発撃つと何十、何百という反撃をうけたといわれている。平成15年12月 大里村教育委員会
現在砲としては、靖国神社遊就館にも展示されている。
平成28年3月移設 南城市