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周南市大津島に残る「訓練基地跡」

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回天訓練基地跡

名称 回天訓練基地跡
住所 山口県周南市大津島
解説 93式酸素魚雷の発射試験場として使用されていたが、人間魚雷「回天」の訓練に使用されるようになる。
クレーンを設置していた痕跡が残る。
難度
A

今回は山口県周南市大津島に残る「回天訓練基地跡」だべ

ポチ太郎
ポチ太郎
ハチ公
ハチ公

回天の搭乗員はここで訓練していたんですね!

山口県周南市の沖合に「大津島」という島があります。
戦中、93式酸素魚雷の関連施設が建っていた島でしたが、1944年9月になると人間魚雷「回天」の訓練基地などの関連施設が建設されます。

1939年以降、大津島に93式酸素魚雷の発射試験場が建設されたようです。
その試験場を流用して1944年9月頃から回天訓練基地として使用しました。

93式酸素魚雷は日本海軍が開発した魚雷で、燃料と純酸素を燃焼させることで高速かつ長距離射程を誇る優秀な兵器でした。
デメリットとしては、純酸素を使用する特性上、爆発事故と隣り合わせであるので取り扱いに細心の注意を払う必要がありました。
海外でも開発や研究が進められましたが爆発事故なども起こった為、日本のような純酸素魚雷を使用した国はありませんでした。

そんな危険な魚雷のつくりを基本に造られたのが人間魚雷「回天」でした。
一番の違いは人間が一人(型式によっては2人)乗り込むことです。
人間ごと敵艦船に突っ込む為に造られた兵器です。

大津島公園付近から見る訓練基地
空襲時の指揮所付近から見た訓練基地
訓練基地遠景
基地付近から空襲時の指揮所・海岸のレール跡を見る
基地からトンネル出口を見る。
トンネルの上にある建物が気になります。
訓練基地近景

訓練基地へ進むと、左側に回天を海面に降ろしたクレーン跡があります。

回天を海に降ろしていたクレーンが設置されていた場所。
現在も鉄骨の跡が残る。
係留杭

クレーン跡の反対側には、93式酸素魚雷の発射口があります。

2階建てになっています。

現在は雨ざらしのような状態ですが、使用していた当時は金属製の屋根が設けられていました。
戦後の朝鮮戦争の時に起こるスクラップブームによって、金属が集められたので屋根も取り外されたようです。

2階には「簡易机上襲撃演習機」という装置がおいてありました。
基地司令官手作りの装置で、目標船舶が進んでいる方向を水防眼鏡で観測する技術を向上させる為の装置でした。現在、二階には立ち入れなくなっています。

一階部分には、93式酸素魚雷の発射口があります。

魚雷発射口へ降ろすためのクレーンの跡も残っています。

この場所で訓練を積んだ搭乗員達は、整備工場近くにある桟橋から戦地へ旅立ちました。

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ポチ太郎

ポチ太郎

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