伊江島の東江上に残る「山グシの陣地壕」

伊江島タッチューは現在では観光地となっていますが、戦時には米軍からは「血塗られた丘」と称されるほどに砲座が整備されて日本軍の要塞と化し敵軍との激戦が起こりました。
伊江島の戦いは4月16日から5日間でしたが、追い込まれた伊江島守備隊は木箱に爆薬を詰めた「急造爆雷」を担いで戦車に投げつけたり、住民は島内各地にある壕へ逃げ込みアハシャガマやユナパチク壕では集団自決が起こったといわれます。
現在は安全上の理由から日本軍が掘った陣地壕は埋め戻しされているようですが、タッチューの麓には現存している「山グシの陣地壕」があります。

伊江島タッチューの麓に「唐小堀」という農業用水のための溜池があり、道路を挟んだ反対側の林の中に陣地壕が残っています。
陣地壕へは林の中に入っていく必要があり、全く整備されていないのでハブやヒメハブには注意しないといけません。
ちなみにこの近くには「山グシの砲台跡(トーチカ）」もあります。

入口といっても看板があるわけでもなく、整備もされていません。
見つけるまでに3回ほど関係のない場所に分け入ってしまいました。
壕を掘れるくらいに土地が高くなっている部分の壁面を見ていきます。

探し始めて約10分ほどで見つけることができました。
道路からは20mくらい林に入った場所ですが、人も全く来ないようで轍なども何もありませんでした。

入口は少し屈みましたが、内部は幅・高さ共に2mくらいあるので余裕があります。
弾除けの石積みかと思いましたが、単に瓦礫がまとめられているだけ？

内部は緩やかに左カーブしているようです。
光は届かないので真っ暗です。
蜘蛛の巣などは全くありませんでしたがオオゲジが結構いました。
暗闇でうごめくオオゲジのシルエットは不気味です。

入口すぐの場所左手に奥行2.5mくらいの横穴が掘られていました。
壁面などにはランプ置きなどの穴はありません。

大き目の瓦礫がいくつか落ちています。

緩やかな左カーブを進むと出口が見えてきます。

出口の外も林ですが、山の中を突き抜けて反対側の道の方へ出たようです。

天井には割れた後の卵が大量についていました。
たぶんイモリの卵かと思います。