魚雷見張り所
今回は山口県周南市大津島に残る「魚雷見張り所」だべ
93式酸素魚雷は、日本が誇る優秀な魚雷でした!
山口県周南市の沖合に「大津島」という島があります。
戦中は人間魚雷「回天」の訓練基地があったことが知られていますが、それ以前は「93式酸素魚雷」という魚雷の発射試験場や関連施設がありました。
呉海軍工廠で製造された魚雷を発射試験場から発射し、魚雷見張り所で性能などを確認しました。
「魚雷見張り所」があるのは通称:回天山とも呼ばれた鬣山(タテガミヤマ)という山の中でした。
標高163mの頂上からは瀬戸内海全体を望むことができ、回天の訓練コースも見渡すことができました。
また、搭乗員らの間では登山競争も行われていたようです。
魚雷見張り所は鬣山内の標高約140m地点で、西から南の方角を見ることが出来ます。
この場所で双眼鏡などを使用して魚雷の性能を見ていました。
「93式酸素魚雷」は1933年に完成しました。
名前の「93式」は、1933年を皇紀に直した2593年の下二桁からとっています。
通常の魚雷は燃料と空気を燃焼させて推進力を得ていましたが、空気を純酸素にすることによって燃焼効率も上がって速度の向上や有効射程も大きく伸ばすことが出来ました。
デメリットとしては、燃焼しやすいという酸素の特性上、事故が起こりやすかったことです。
海外でも酸素魚雷の研究は行われましたが、爆発事故なども起こって純酸素魚雷を実用化していたのは日本だけでした。
この酸素魚雷の技術は、後に生まれる人間魚雷「回天」にも流用されることになります。
93式酸素魚雷は広島県の呉海軍工廠にて製造されていました。
完成した魚雷が大津島に運ばれ、整備工場にて解体、内部の機器が正常に動作するかを確認した後に再度組み立てて発射試験場にて試験されました。
試験にて異常が無ければ艦隊に渡し、問題があった場合は再度解体チェックされます。