近衛師団司令部庁舎
今回は東京都千代田区北の丸公園に残る「近衛師団司令部庁舎」だべ
皇居ランナーが前を走ってます!!
現在の皇居から程近く、「東京国立近代美術館」の建物は旧近衛師団の司令部庁舎として使用されていました。この建物へのアクセスは、九段下駅下車で武道館方面へ徒歩や、竹橋駅、半蔵門駅などになります。
まず「近衛師団」というのは、簡潔にいうと皇族と宮城(皇居)を守っていた部隊です。
その歴史は明治新政府が設立される時代に遡ります。
明治新政府が成立した明治維新の時代、政府直轄の軍隊を所有していなかったことから御親兵という近衛師団の前身となる部隊が作られます。
これは薩摩・長州・土佐の3藩から兵を募って約1万人から編成されました。その後、明治5年に近衛兵と改称され、更に明治24年には近衛師団となります。
近衛師団の目的として「禁闕守護(キンケツシュゴ)の責」と「鳳輦供奉(ホウレングブ)の任」があります。
禁闕守護の「禁闕」は’’皇居の門’’という意味ですが、意訳すると皇居と皇族の守護をする任務ということになるかと思います。
また、鳳輦供奉は天皇の行幸など公的な外出の際に、祭事の際に身に着ける儀礼用の武器を持ってお供する「儀仗部隊」の役割もありました。しかし、戦争が進んでいくと野戦師団のひとつとして出征して戦闘にも参加しています。
その任務の重要さから、近衛師団に入団するのは大変なことでした。学力や近親者、家庭環境などくまなくチェックされたといいます。
一部では容姿もチェックされたなんて話も聞きますが、数あるチェックをクリアしてやっと入団することができます。
また、普通の師団はそれぞれの持ち場の区域から兵員を集めていきますが、近衛師団は全国区で兵員を集めるため、必然的に全国から選りすぐりの兵員を集めることができました。